2018.06.24 日 17:37
こんにちは。
今回は、眼瞼下垂についてお話します。
最近は、眼瞼下垂の認知度が上がり、患者様にお話する時もご存じの方は多いですね。
眼瞼とは、まぶたのことです。
眼瞼下垂とは、まぶたを挙げた時、すなわち目を開けた時に十分にまぶたが挙がらない状態のことを言います。
どんな目?かをお示ししますと、
私の大好きな大泉洋さんも、医学的には眼瞼下垂です。
特徴としては、
・まぶたが黒目の半分近くか半分以上までかぶっていて、眠そうな目のイメージです。
・まぶたがくぼんで、くぼみ目になることがあります。
・一重の方も多いですが、二重の場合は線が浅かったり、あるいは三重以上になることがあります。
・まぶたが挙がらないために、おでこに力を入れて眉毛を持ち上げて目を開けようと頑張りますので、眉毛が上がって額にシワがよります。
なぜ瞼が挙がらないかというと、瞼を持ち上げるための筋肉(眼瞼挙筋といいます)に原因があります。
眼瞼挙筋は、図のように、瞼板というまな板のような軟骨に付着しています。
眼瞼挙筋が縮むことで瞼板が上に引きあがり、まぶた全体が持ち上がって行きます。
瞼が挙がらなくなる主な原因としては、二つあります。
① 眼瞼挙筋と瞼板の付着が緩んで外れてしまう(眼瞼挙筋そのものの機能は正常)
② 眼瞼挙筋そのものの機能が弱い
① の場合は、加齢性の老人性眼瞼下垂や、若い方でも軽度の眼瞼下垂の方に認めます。
② の場合は、生まれつき片目の開きが極端に悪いなどの先天性眼瞼下垂症や重症筋無力症などで認めます。
どちらも手術による治療の対象となりますが、美容外科手術においては、①のケースになります。
黒目の中心までも目が開かない重度の眼瞼下垂では、保険適応になる場合がありますが、それよりも軽度の眼瞼下垂であれば、原則として自費診療となりますので、美容外科領域で治療されることが多いと思います。
眼瞼下垂の手術は、二重切開 + 挙筋前転術 という内容になります。
二重切開は、二重の予定線を切開して、二重を作成するというポピュラーな美容外科手術です。
二重切開のみの治療では、瞼の脂肪(眼窩脂肪)の処理までは行いますが、その奥にある眼瞼挙筋まではいじりません。
眼瞼下垂手術では、眼瞼挙筋を引っ張りだして、瞼板との付着部分をしっかり固定するという処置(挙筋前転といいます)も同時に行います。
眼瞼挙筋を固定することで、筋肉の動きに連動してしっかりとまぶたが持ち上がるようになります。
また、もう一つの下垂手術として、切開をしない目力アップという手術法もあります。
これは、まぶたの裏側に糸をかけて筋肉を縫い縮めるようにして、瞼が持ち上がりやすい状態にする方法です。
少し後戻りする可能性はありますが、切開をしないので、傷が残らずダウンタイムが少ないのがメリットになります。
ただし目力アップだけでは二重を作れないので、二重もご希望の場合は、別途、埋没法による二重手術も必要になります。
二重希望で来られる患者様は、往々にして、眼瞼下垂もある方が多いです。
そもそも二重は、まぶたがしっかりと持ち上がることで、皮膚が折りたたまれて出来るラインです。
ですので、まぶたが十分に挙がらないと、浅い二重か、三重などの不安定なラインになります。
さらに前述のように、眼瞼下垂の特徴であるくぼみ目や眉毛を持ち上げることでも二重が出来にくくなります。
二重希望で来られた患者様でも、眼瞼下垂が目立つ場合は、下垂手術の方をお勧めすることもあります。
最近は、スマホなどで目を酷使することが多いのか、若くして眼瞼下垂症状のある方が増えているような印象があります。
二重でお悩みの方は、眼瞼下垂の事も知っておくと、治療に関する理解の助けになると思います。
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