2019.03.04 月 15:44
こんにちは。
眼瞼下垂という言葉は、一般の方々にも浸透してきていますが、美容手術の中でも症例が増えているように実感しています。
目が開きづらくなる、というのが主な症状です。
典型的な症状や見た目の変化 をまとめますと、
・ 上まぶたが上がらず、目が開きづらい。目が重い。
・ おでこに力を入れて眉毛を持ち上げることで、なんとか目を開けようとする。
・ そのため、おでこに横じわが目立ち、眉間が疲れ、頭痛が生じる。
・ 眉毛を持ち上げるので、まぶたにくぼみが目立ってきて、皮膚のたるみが生じる。
・ 結果、目周りの老化がどんどん進んでしまう。
・ 目が開きづらいので、顔を上げて見ようとする。そのため、肩こりが生じる。
などが挙げられます。
眼瞼下垂になる原因 はなんでしょうか?
主な原因としては、
・ 加齢によるもの。
・ コンタクトなどの刺激や目を酷使するなどの生活要因。
・ 生まれつきにまぶたを持ち上げる筋肉が弱い。
・ 怪我などで、まぶたを損傷してしまう。
などが挙げられます。
特に多いのは、加齢による眼瞼下垂です。
もう少し詳しく説明すると、
目を開ける(まぶたを持ち上げる)動作は、眼瞼挙筋(以下、挙筋といいます)という筋肉の働きです。
挙筋は、まぶたの縁にある板状の軟骨(瞼板と言います)に付着していて、上まぶたに沿って目の奥に向かい、奥の方で付着しています。
あやつり人形のように、挙筋が縮むとまぶたが持ち上がります。
しかし年を取っていくと、瞼板と付着している部分が徐々に緩んで、だんだんと外れてきます。
付着している部分は、筋肉組織でなく膜状の組織(腱膜といいます)になっています。
いきなり外れるわけではなく、伸びたゴムのように徐々に膜が伸びて、緩んでしまうようなイメージです。
長い人生の間、数え切れない回数のまばたきをします。
まばたきの度に挙筋が動いていますから、年齢とともに徐々に緩んでいくのは避けようがありません。
さらに、コンタクトの着け外しや、装着していることによる刺激でも緩みが進んでいきます。
また、スマホやPCで目を酷使していることでも、緩みが進んでしまうと考えられます。
緩みの進行をなるべく遅らせることは可能ですが、眼瞼下垂の状態までなったら手術での治療しかありません。
まぶたを鍛えて目元のアンチエイジング! などというお話を聞いたことはありませんか?
最近ブームの、顔エクスサイズの一貫だと思いますが、
目をバチっと開ける動作を繰り返すことで挙筋を鍛えて、まぶたのたるみが改善するという趣旨の記事をいくつか目にしていますが・・・
これはやってはいけません!
挙筋は非常に薄い筋肉ですし、鍛えて筋力がアップするような筋肉ではありません。
そもそも一番問題なのは、力を込めて目をパッチリ開ける動作が、挙筋の緩みを急激に進行させます。
このような動作を毎日していたら、わざわざ眼瞼下垂を作り出すようなものです。
目元の老化の相談でいらした患者様で、実際にこのエクスサイズをされていた方がいらしたので、このようにお話をするとびっくりされていました。
医療従事者から正確な医療情報をもっと啓蒙していくことが大事だと感じます。
皆様、根拠のない美容情報には要注意です!
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